kyoukokukenbunshi’s diary

狂国見聞史 生きづらい世の中に対して感じたことを書きます

朝鮮半島の光と影(1)

エマニュエル ・パストリッチさんの書いた「朝鮮半島の光と影」です。

必ずしも経済発展を遂げるのが一番大切な事とは限りません。

朝鮮半島の光と影
エマニュエル・パストリッチ
 
朝鮮半島衛星写真を見ると北朝鮮の夜は暗い。一方、日本や韓国の夜は人工光で明るく照らされている。アメリカの多くの専門家らはこの様な違いについて北朝鮮開発途上国であるからだと主張する。これは即ち北朝鮮偏っていて抑圧的で、哀れむほど立ち遅れた体制の結果だと言うのである。明らかな点は、明るく照らされた韓国発展、先端技術、民主主義そして自由市場のモデルであるということです。韓国は発展と民主主義の光を得たところであり、北朝鮮は独裁や無知の暗闇に満ちたところという説明は、朝鮮半島衛星写真見る世界の人々の頭の中に自然と吸収され美的にも完璧な写真であるかのように記録されている。
朝鮮半島衛星写真関するこの様な態度は、韓国の政治家や学者、言論人の間でも革新と保守に関わらず大きな差は無いように感じる。韓国の革新派の政治家たちは北朝鮮との協力を通して開城工業団地のようなプロジェクトに対し更なる投資を行い北朝鮮の住民たちに雇用の機会を提供するべきだと主張している。また韓国は北朝鮮安価な労働力と豊富な天然資源などで利益を得るべきだと主張している。更に、韓国の保守派は、北朝鮮独裁国家であり韓国を武力によって脅かしている為、信頼できないと主張している。彼らは、北朝鮮まず国際社会に完全に門戸を開放し、全ての核施設に対する完全な査察受け入れるべきだと言う。
韓国の革新派と保守派の想定は根本的に違わない。両者とも、韓国は更に発展を遂げ、その増え続ける国内総生産(GDP)の恩恵を北朝鮮も享受しながら、自動車に乗り、テレビやスマートフォンを持ち、広い家に住んで世界的にヒットしたK-popを制作するべきだとしている。現在のように閉鎖的で抑圧的北朝鮮の政府が理想モデルと主張していることには呆れるが、それと同時に北朝鮮が韓国のように変わるべきだいう主張に対して、私は安易に同意することは出来ない。何故なら私は12年間、韓国に住みながら韓国の深刻な問題を目撃してきた為だ。
高い自殺率、汚染された空気、学校での容赦ない競争、若者たちが感じる疎外感、輸入食品や輸入燃料への過度な依存、そしておびただしい数の貧困高齢者のような問題は、韓国全域に深い影を落としている。これは、朝鮮半島衛星写真では写すことの出来なかった韓国の姿である。
韓国と北朝鮮について話す時、朝鮮半島人工衛星のように高い所からではなく底辺から徹底して観る必要がある。私は北朝鮮を訪問したことのある多くの韓国人から平壌で暮らす市民の姿を見た時の印象を聞いた。平壌の小さな野菜市場やホテルの素朴な造りを見た韓国の人々は、そこから飾り気の無さを感じ、韓国では既に消えてしまった何か大切なものがそこには残っていると感じたという。北朝鮮の女性たちは、韓国のような贅沢は出来なくても、化粧をしたり消費競争プレッシャーを感じているようには見えなかったと言う平壌ではブランド衣類への需要が無い。携帯電話中毒の青少年たち、必要もないものを見せつけ買わせる多くの広告も平壌には無い。その代わり北朝鮮には1960年から70年代まで韓国に存在した韓国社会の様々な文化、例えば人と人の絆の様なものが残っているように思えた。
北朝鮮について議論する時、韓国のメディアや専門家らが見逃している重大な問題が更にる。メディアでいわゆる「専門家」によって行われている北朝鮮関連の全ての議論は経済成長、国内総生産(GDP)、生活水準、生産など、基本的に消費関連の問題について言及している。この様な基準で見ると北朝鮮先進国、特に韓国と比べると非常に立ち遅れている。つまり韓国は北朝鮮が「現代の先進国」になる方法を教える兄になれると言う事を意味する。しかし、この様な全ての用語は本質的にイデオロギー的で主観的である。韓国でのこの様な思い込みは、資源を浪費することが肯定的で積極的に奨励されるべきだという考えに基づいいる。また更に大きくて必要以上に暖房がいてる家に住み、自動車やスマートフォンを所有することが発展だとしている。
しかしこの思い込みの根幹となる科学的な根拠は全くない。それらは月に祈れば雨が降るまたはヒルを使って血を吸えば重い病が治ると言うことくらい空虚な話である。
実際に研究結果を見ると、消費に焦点を合わせた行動パターンは深い疎外感や自殺率、薬物乱用の増加を含む社会全般に渡る深刻で破壊的な影響を及ぼすとされている。即ち北朝鮮が進むべき方向と韓国が成功を収めたことに対する仮説は、イデオロギーや根拠のないものや近代的な神話に基づいている。それに伴う結果として韓国の人々は、そのような仮説によって挫折感や過度なストレスを感じているにも関わらず自分たちが成功したと確信している。
朝鮮半島の夜を写した衛星写真は、実際には朝鮮半島の光と影が完全に伏せられた状態の全く異なる別の姿を説明している。イデオロギーに支配された感情を無くし、客観的で科学的な分析を重視する専門家らの間では、人類が地球温暖化(気候変動)により前例のない危機に直面していると警鐘を鳴らす。現在の地球温暖化の速度を踏まえると、地球の生命体の滅亡を避けられないと言う意見が根強い。
気候変動による災いやその結果によって既に一部では滅亡が始まっていると言う多くの報告書や書籍が出ており、それは朝鮮半島も例外ではない。現在、ソウルでは12月まで蚊が生存し、また1月には花が咲いているのを我々は目の当たりにしている。この様な現象は急速に進んでおり今後、韓(朝鮮)民族の生活を脅かしかねない。
気候変動がこの様な速度で進んでいるのを放置する場合、魚介類が滅亡するほど朝鮮半島の沖合の海水温度が上がり酸性化し、砂漠が拡大するだろう。輸入食品と化石燃料製品の輸出依存度が高い韓国は絶望的な状況に陥るだろう。
それでは、統一朝鮮半島はどのような選択をするべきだろうか。答えは明確である。エネルギー消費や節約面において北朝鮮に定着している方法を模索する必要がある。
人類は数万年の間、夜は暗くなくてはならず、エネルギー消費を減らす生活方法を維持してきた。その様な方法に基づきマンションなど建物の不必要な照明は無くし、ネオンサインのような商業用の建物の電気掲示板を使用せず、内部の暖房を大きく減らす一方、高い天井やコンクリート、ガラスや鋼鉄、外観などの建物の無駄なデザインを中断すべきである。それを通じて長い間、韓国歴史で維持されてきた質素でシンプルな伝統に戻らなければならない。
韓国の夜は、もっと暗くなるべきだ。韓国の都市を照らすためには政府の補助金が支給されてい化石燃料の使用が大きな役割を果している。これは、恐ろしい大気汚染や過渡の燃料輸入費用を発生させる一方、私たちの子どもたちの未来を脅かす地球温暖化を進めるなど、莫大な費用が掛かると言う事を認識しなければならない。