kyoukokukenbunshi’s diary

狂国見聞史 生きづらい世の中に対して感じたことを書きます

時間の使い方

雨の中、大きな犬を散歩させている少年はパーカーのフードを頭から被り、傘もささずに犬と歩く。

肌寒い空気と冷たい雨をくぐり抜けて乗ったマンションのエレベーターの中では、大きな丸い目で別の階の子供が私を凝視していた。

秋が深まっていく中で変わらず日常にあるのは、淡々と日々を送る人々の姿。

大きな事を成し遂げようと夢に胸を膨らませていたあの頃の気持ちはひっそりと窄まったものに落ち着き、いつの間にか嫌いだったこの土地での生活も悪くないな、と思えるくらいに私も成長している。

ただ変わってしまったことは、前はあまり気にも止めなかったのだが、空を飛ぶ鳥を観ると意味もなく切なく、寂しい気持ちになることだ。

多くの事が目まぐるしく変わっていく世の中でただ一つ信じられるのは、そういう寂しさや切なさが、年々愛おしくなっていく事だろう。

一人で空を見上げて鳥を観ても、誰かと一緒に空を飛ぶ鳥を観ても、揺るがない気持ち。

世の中はこんなに混沌としていて過酷なのに、心の中にも空のような大きいものが広がっていく。

一仕事終えた後に、こんな事を考えていた。

通勤時間が長いので、電車に乗っている時間はスマホでも観ていればいいのだけど、最近は何も観ないで想像力を駆使してものを考えるのがお気に入りの時間潰しの方法。